季節を楽しむ
日本は四季を楽しめる国です。五節句をはじめカレンダーに記された様々な行事や伝統はそれぞれの季節の自然を感じるものばかりです。
お正月、七草、節分の豆まき、ひな祭り(桃の節句)、お彼岸、そして最近ではミモザの日(国際女性デー)などなど新しい年が始まって3か月の間にもたくさんの季節の行事を迎えました。
一方でおせち、恵方巻、チョコレート、ちらしずし・・・そこに世界中の記念日まで加わり、季節を楽しむどころか行事に追われ、消費に追い込まれているようでせわしい、むなしい気分を感じた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
通勤・通学で毎日同じ時間に外に出るだけでも日の長さや傾きや草花の姿で毎日季節が変化する様子を感じるものです。日が高くなってくれば夏だ!と感じ、セミの鳴き声を聞いて夏の終わりを感じ、それぞれの人の細かい感覚で季節や時間の経過を感じていることでしょう。
日本の四季、春・夏・秋・冬の四つの季節をさらに6分割したものが二十四節気です。春分・冬至など、自然と密接に暮らしてきた日本人にとって生活と文化の目安となってきたものだと思います。そしてさらに細かくおよそ5日ごとの気候の変化や動植物の様子を表し季節の「兆し」を伝えるものを七十二候といいます。どちらも自然とともに豊かに暮らす上で大切にされてきた古くからの手引きのようなものですね。
その七十二候を改めて眺めてみると季節の様子を描いた短い文章がとても面白く情景が感じられます。
そして七十二候という気候の「兆し」を表す考え方が中国から伝わり日本に浸透していったその時代と、現代の日本の私たちが暮らす環境がどんなにずれてきているか、ということにも気付きます。
地球が丸い一つであり、同じ空でつながっていることを改めて感じさせられるこの頃。日本なんて海に囲まれて本当にちっぽけです。
グレタさんという高校生が立ち上がり、世界のリーダーたちの前で訴える内容を聞くとそれは他人事ではないなと焦ります。
「自分に言われている。」
今立っている足もとのために、子どもたちが暮らしていける環境を維持するために本気になって何か自分の今の行動を変えないと。
進行中の環境の崩壊を少しでも遅らせるために一人一人の人ができることを当たり前に実行しないと間に合わない。
外で仕事をしている私たちも実際異変に困惑しています。夏が暑すぎます。日差しが強すぎます。 夕方の雨風が強すぎます。 害虫たちの姿が変わってきています。植物たちのタイマーがぼんやりしてきています。
季節を楽しむはずの行動が、大量のロスや大量の廃棄に繋がっていないかな?どこかで誰かを苦しめていないかな?
もっとささやかで色濃く思い出を残せないかな?工夫をひねり出さなければ。
これから先もわたしたちの小さなお庭に幸せいっぱいの季節の便りが届き続けますように。
ほんの小さなことですがSANPOH社のフェイスブックでは七十二候(季節の移り変わりの兆しを表す短文)をご紹介していきます。 ひょっとしたら、投稿時期と内容のタイミングのずれに違和感を感じることもあるかと思います。そんな環境の変化を少しでも感じていただけるなら幸いです。
SANPOH Inc.