ガーデニング・エクステリア
1.お庭(樹芸園)に関する想い
山口 嵩明(以下T) 山口 ゆみ(以下Y)大森さんよろしくお願いします。
大森 信哉氏(以下O) 奥様(以下M) よろしくお願いします。
T:早速ですが、大森さんが植木屋さんを始めたきっかけをうかがってもいいですか?
O:そうですね、前は(大森さんのお父さんの時代)は植木で商売が成り立つ時代ではなかった。
まず、食料という時代でしたからね。
ただ、この樹芸園がある一帯は田んぼが少なく畑作が盛んでした。
例えば、桑(蚕の餌になる)の苗を作ったり、植木では山に植える杉や檜、松などの山林の
苗を育てていました。
SANPOHさんのある、出水市が植木で有名なのもその山林苗がメインだったんですよ。
T:今はもう山で育って大きくなっていますよね。
Y:それを育てて出荷されていたんですか?
O:そうです。国がそれを植林するときに買い取って山に植え込んでいたんですよ。
ただ、今になってその反動が・・・自然の植生というところまで考えていなかったので、
成長の早い杉や檜などの針葉樹を自然林を切り開いて植え込んでいました。
成長が早いのですぐに材木として出荷出来ますからね。
しかし、杉や檜の割合が一気に増えたために花粉症などの健康被害がでてきましたよね。
私も花粉症なんですけどね (笑)
T:そうなんですね (笑)
O:今でもそうだと思います。
そのあと、杉がダメだからと広葉樹を植えたのですが、その広葉樹もそこに自生している
樹木の種ではないものを植えたんですよ。クヌギであれば韓国の種です。
なので、元々日本の土地にあってない種を植えると、何か大きな気候の変化があった時に
一気に枯れてしまう可能性がありますよね。
その一方で、自生している木などは今まで何百年、何千年という間に様々な苦難に耐えて
生き残っているのでやはり強いです。
T: なるほど。
そうですよね。自生していたものが強いですよね。
O:外国のものだけではなく、日本国内でも同じですよ。
気候が違うので九州の木を東北に植えても育たないですよね。
太平洋側か日本海側かでも変わってきますから。
アメリカでも、樹木の地図があってそれを区割りして番号で振り分けられていてこの苗は
ここの地域で育ちます、といったふうにカタログに記載してありますよ。
日本でも、カタログに記載するとかいった方法を取らないと育たないものを植えてしまう可能性も
ありますからね。
T:そうですね。わかり易いカタログなどがあれば便利ですね。
O:間違った木を植えてあとの世代に迷惑をかけてしまうことは避けたいですからね。
T:植木は、植えてその時だけではないものですからね。
さきのことまで考えて作っていくことは大事ですね。
Y:なるほど。大森さんの樹芸園はそこからはじまったんですか?
O:そうです。元々は、山苗から始まって今に至ります。
ただ、外国からの建材が安く輸入できるようになってからは、山苗屋さんはほとんどやめてしまい
ましたね。山苗だけでなく蚕を飼育している方も減ったのでそういった影響もありますね。
T:そういえば、私の祖母の時代も自宅で蚕を飼っていたという話を聞いたことがあります。
自宅に蚕の部屋があったみたいですね。
M:その時期は、畳をはいで蚕の為の部屋を作っていたみたいですよ。
いまではなくなってしまいましたけどね。
O:実は今、桑の葉が違う意味で注目されているんですよ。
T:というと??
O:桑の葉を粉末にして飲む、健康食品として注目を集めています。
そういったことで、又あらたに桑を栽培し始めていますね。
『お庭に家族の笑顔を増やしたい』 鹿児島出水の小さなお庭屋さん、
SANPOH社のオンライントークショー
次回は、「流行をみつめて・・・」というテーマでお送りします。