教えて！うちのお庭の木の選び
お庭に植える木って
どうやって選ぶ？
私たちの地元、鹿児島県出水市は苗木の生産が盛んで、秋から春にかけ植木市が開催されます。身分証明書を持参すれば〈セリ〉にも参加でき「木市（きいち）」と呼ばれ親しまれています。一般的に冬から春は休眠中の樹木が多く、最も移植に適した時期。新年の園芸シーズンスタートといえるタイミングで、各地でも同様の植木市が開催されます。またこの時期は卒業や成人など人生の節目のお祝いに庭木の苗を贈られたり、記念樹の購入補助が受けられる市町村もあり、春を迎える喜びとともに庭木への関心が盛り上がります。園芸店では憧れの樹種にばったり出会える機会も多く、また素敵なネットショップも増えているためつい手が伸びてしまいそうに。そんな植木に親しむきっかけの多い春ですが、木を選ぶことに難しさを感じた経験がある方も少なくはないはず。そこで今回は植木の選びについてお庭づくりの現場目線で考えてみます。
衝動買いのその前に
庭木を迎える準備を楽しもう！
日当たりを好む木もあれば日陰を好む木も。木を迎える際には、成長のイメージや育てる場所の準備が必要です。以下のような視点でどんな木が自分に合うかまずは調べてみましょう。道具や土づくりの資材など、ものや時間もそれなりに必要。地域、スペース、生活スタイルに合った木を選び、準備もお手入れもすべて含めて楽しめたら最高です。
〇木を植える目的は？
シンボルツリーに、日よけに、目隠しに。旅先の思い出を再現したい、などなど…。
〇常緑樹？落葉樹？
通年緑を楽しめる木と、秋冬に葉をすっかり落としたり、紅葉する木も。常緑樹は一気に葉を落とすことはなくともじゅんぐりと葉を更新しています。
〇花や実がなる？食べられる？
美しい花が楽しめる木、花はさほど目立たない木。食べられる実がなる木、虫や鳥に人気の実、食べられないけれどクラフトに利用したい実、など様々。
〇成長は上に？横に？早い？遅い？
成長が早ければサマになるのも早い。しかし剪定などのお手入れも頻繁に。成長が穏やかな木は日よけや目隠しにするにはやや時間がかかります。
小さな苗木から育てることを
おすすめしたい庭木
例えば私たちのお庭づくりでは、ご家族と相談を重ね、大きな方向性を描いた図面をもとに、目的や雰囲気に合った大きさや枝ぶりの樹木を1本1本選びます。建物の高さやスペースを活かしたお庭の骨格を築き、当初から役割を果たせるよう、ある程度成長した樹木をメインにすることが多いです。一方、環境への馴染みやすさやコストなど、小さな苗木からお庭を育てる良さもあります。切り戻しをして花を楽しむような中低木、移植を嫌う木、果樹や外来の木など、幼い苗から育てるメリットが大きい樹種といえそうです。少しづつ好みの草木を取り入れてもらうことで愛着も深まり、よりお客さまのお庭らしくなる気がします。
苗木の植え付け
ポイントと基本の手順
お店や市に並ぶ苗木は、畑から移動するための（仮）の姿の状態。良い生育のために購入後は早めに植え付けます。根を傷めないよう扱うのが基本。もし傷んでいる枝葉があればその部分は切り落とし、株の体力を温存します。〇〇の土というものが手に入れば、それぞれの木に適した植え付け用土として利用できます。
〈準備〉
〇ショベル
〇腐葉土やバーク堆肥（土壌改良剤）
〇完熟の堆肥や有機肥料（元肥）
〇ジョウロやホース
必要に応じて
・支柱・麻ひも
・バークチップ、バーク堆肥など（マルチング材）
①植穴を掘る
根鉢より一回りから二回りほどの大きさ・深さの穴に、土壌改良剤として腐葉土やバーク堆肥をすき込む。
②植えつけ
ポット仕立ての苗は、ポットを外しなるべく根を崩さないように植えます。麻布などで根鉢を巻かれた苗は、布・ひもを外さずそのまま植える。
③施肥
生育期に養分がいきわたるよう完熟の堆肥や有機肥料などを株元に施し、用土を戻したら軽く抑える。（オージープランツと呼ばれるオーストラリア原産の植物はリン酸が苦手。肥料は専用のものにするか控えめに。）
③支柱や添え木をする
ユーカリ、オリーブなど根が浅い木は倒れやすい。風でぐらつき根を傷めることもあるため必要に応じ支柱をする。
④マルチングを施す
バラなどはバークチップやバーク堆肥などで株元の土表面を覆うことで水の跳ね返りを防ぎ葉の健康を守ることができる。こちらも必要に応じて。
⑤水をたっぷり与える
根付くまでは根のまわりの土が乾燥しないよう気をつける。鉢植えと同じような頻度で、乾いたらたっぷりと。
こだわりの鉢やコンテナで育てるのも素敵です。鉢が大きすぎると、過湿になり根腐れすることも。まずは一回り大きなサイズを選ぶと安心です。
SANPOHとMERRYの公式ブログ
『おしゃれだねといわれる
お庭をつくるアイデアブック』は
毎月おおよそ22日に更新していきます。
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草木の成長をみる楽しみで
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