ガーデン・エクステリア
4.都会の事情・地方の事情
村尾 隆介氏(以下R)
R: たとえば、東京のように絶対的にスペースがないという場合にもしお庭をつくるとしたら
どんなアイデアがありますか?屋上をつかったり… 家の中にスペースを設けるとか…?
山口 嵩明(以下T) 山口 ゆみ(以下Y)
T: 僕たちは部屋の中に鉢物や砂利を使って小さなお庭を再現したことがあります。
日陰でも比較的育てやすい下草などを選び、一部に季節の植物を取り入れる
など、アレンジしながら楽しんでいました。
管理さえ、しっかりすることができれば植物も環境に応じて育ってくれますよ!
その方法であれば、広いお庭がなくても楽しめるのではないでしょうか?
R: ん~、なるほど。
やっぱり、身近なところに植物がある方がいいですよね。
T: でも、たくさんあればいい。というわけでもないですね。
まず手入れが億劫になってしまっては楽しくなくなってしまいます。
そこにある1本が魅力的に感じられたり、癒されたり、小さなことでも自分が
手を加えることに植物が答えてくれた時、充実感が生まれたりするのかもしれません。
R: 面白そうですね。単に「お庭」ではないんですが、
一つ、都内に住む人に提案したいことがあり、知り合いの建築会社とも話をして
いるのが別荘です。震災後など、「首都圏はもろいな…」と思うことがあって・・・。
今まで、別荘という存在は高値の花とかステータス的なものであったと思いますが、
今こそ考え方を変えるべきで、ただ休暇を過ごすためのものではなく、週末に通い
家庭菜園を楽しみつつもし何かあった時に2ヶ月間くらいは、自給自足で生活できるような
場所。そういう場所として提案したいなと思っているんです。
R: ロシアなどは、この考え方がしっかり根付いていてダーチャという別荘をモスクワの
ほとんどの住民が持ってます。2時間圏内の場所に、寝泊りと最低限の食料が
確保できるくらいの小屋です。
ラグジュアリーではない別荘を構え、これまでの「お庭」とは、また違う発想かも
しれないけれど「食べられるお庭」というのを持つ。これが、都内に暮らす人にとって
庭を持つことの最短距離であり実益を兼ねたものではないでしょうかね。
T: なるほど。地方に住んでいるとなかなか出てこない発想ですね。
Y: 地方では、若い人も少なくて、広すぎる土地を管理するのに苦労している面もあります。
そうやってみんなで土地を有効に分け合えたらいいですよね。
R: そうですね。地方で、もし土地が荒れて景観がよくないとしたら、それも仕組みで
考えていかないといけないですね。
例えば、芝生のフラットなスペースでバーベキューができるような場所にするとか…。
アメリカ人なら、喜んで利用してますよね。
R: 最近、都内では街路樹の廻りをテーブルで囲ってあったりします。
コンビニで、何か買ってそこで食べたりするんですけどなんか気持ちがいいんですよね。
街の中でも自然と共存できるようなものがもっともっと、増えていくといいですね。
『お庭に家族の笑顔を増やしたい』 鹿児島出水の小さなお庭屋さん、
SANPOH社のオンライントークショー
次回は、「外国人をうならせる日本のお庭」
というテーマでお送りします。